@misc{oai:mpu.repo.nii.ac.jp:00000531, author = {川島, 和代 and Kawashima, Kazuyo}, month = {2014-03-11}, note = {本研究の目的は、家族と断絶状態にある統合失調症患者の在宅療養に向けての対応に困難を感じた提供事例をめぐり、「看護理論」を適用した事例検討の支援過 程を分析して支援の構造を明らかにすることである。 研究対象は、「看護理論」の導入を依頼された支援者による単科の精神病院における事例検討の支援過程である。提供事例は、50歳代前半、男性、統合失調症、家族に暴行を働いたことが原因で、2年前から入院、病状も安定して在宅療養を希望しているが、家族との断絶状態のため目標に向けて踏み出せない情況にある。事例提供者のA看護師は30代半ばの男性、精神科看護歴3年、事例提供者のほかの参加者は看護者14名であった。支援者は、本研究の当事者と同僚の看護教員の2名である。 研究方法は、事例検討会の内容を、同意を得て録音し逐語録として起こし研究資料とする。研究資料を精読して事例検討の過程を時系列に整理し、①事例提供者の言動・情況 、②事例検討会参加者の言動・情況、③支援者の感じたこと、考えたこと、意図、④支援者の言動の4項目を持つ素材フォーマットを作成して、研究資料から各項目に該当するキーセンテンスを選んで記述し研究素材とする。 分析方法は、研究素材を精読し、事例提供者や参加者の認識や表現に変化が見られたところで区切り「局面」として分け、「局面」ごとに、事例提供者や参加者の認識の変化とそれに影響を及ぼしている支援者の言動とのつながりを吟味しながら、事例提供者や参加者の認識をどのように発展あるいは後退させたといえるのかを看護一般論に照らして意味内容を抽出する。分析フォーマットは素材フォ ーマットを基に「局面のタイトル」、「局面の意味」の欄を設ける。「局面」から抽出された意味内容から、事例検討における支援者の看護理論の適用の内容と特徴を明らかにし、事例検討の支援の構造と、外部から事例検討の支援に入る意味について考察する。 研究結果 事例検討の支援過程における事例提供者の認識の変化と各局面の意味、支援者の看護理論適用の特徴が明らかになった。この事例検討における事例提供者の認識の変化は、家族へかかわることに躊躇していた事例提供者の患者像が拡がり、遮断された環境下で長期間、放置されたままでは患者の健康な認識の形成につながらないと放っておけない像が描かれ、一方、家族の<怖いが見捨てられない>ジレンマを感じとることができ、家族にかかわろうと認識が発展・変化し、事例提供者や参加者らの取り組み姿勢に能動的な変化がみられた。支援者は、患者と家族、また事例提供者や参加者の位置に自在に移り、参加者間の相互作用を瞬時に読みながら事例検討の深まりを支援していた。事例検討の参加者らに能動的な姿勢が持続し、2年半余り後、患者は、家族に伴われて自宅退院となった。 結論 「看護理論」を適用した事例検討の支援の構造は、対象事例の看護学的問題(解決を要する対立)の構造と解決の方向性を大づかみにとらえ、参加者からの発言をもとに豊かな対象像を描き、参加者に共有されるよう、立場の変換を繰 り返しながら、問題に内包されている対立の性質を浮きぼりにし、事例提供者を含む参加者が解決の方向を見出せるように支援することである。}, title = {看護理論を適用した事例検討における支援の構造 : 単科の精神病院における対応困難事例の支援過程を通して}, year = {}, yomi = {カワシマ, カズヨ} }