@misc{oai:mpu.repo.nii.ac.jp:00000525, author = {諸田, 直実}, month = {2014-03-11}, note = {研究目的:がんサバイバーシップの概念を基盤に据え、乳がん患者が新しい自分らしさと生き方を獲得するプロセスの支援をめざして作成したケアプログラムの実践を通して、患者の変化のプロセスの内部構造を明らかにし、新しい乳がんリハビリテーション看護の意味を明確にすることであった。研究方法:クリティカルパスにそって手術前後に行われる乳がん治療を中心とした標準的なケアに、「健康の理論」に基づく患者と看護師のパートナーシップによる個別的ケアと面談を加えて作成したケアプログラムのパイロット・スタディの結果から、「乳がん患者リハビリテーション看護ケアプログラム」を作成し、本研究の看護介入ケアプログラムとした。研究対象は、乳がんと診断され手術療法を受ける一人の患者と看護師のケアプログラムの実践における一連の関わりのプロセスである。分析方法は、患者との関わりの記録とフィールドノートのデータから、患者に現れた変化と看護師の関わりという点から意味ある場面を抜き出し、標準的に行われているケアに加えて本ケアプログラムを適用して、(a)クリティカルパスに基づく治療およびケアにおける患者の反応、(b)看護師の個別的な関わりと患者の反応、(c)面談における看護師の関わりと患者の反応に分け、一連の看護過程の意味内容を掬い上げた。次に、患者が新しい自分らしさと生き方を獲得するプロセスの観点から、患者に現れた変化とそれを支えた看護師の関わりを抽き出し、時系列に並べ、関連性を捉えながら、乳がん患者が自分らしさを再構築するプロセスの内部構造を抽出した。研究結果:乳がん患者が、自分らしさを再構築していくプロセスの内部構造は、連続する5つの局面として明らかになった。すなわち、診断期の動揺の中でパートナーシップに踏み出し、自己を語ることを通しての自己表現と術式に関する意思決定によって達成感と満足を得る第1局面、面談を通して今までの自己のあり様とがん体験の意味に気づきを得て手術を乗り越える第2局面、後療法による不安定な状況を、できる範囲で対処すればよいという新しいペースを掴んで持ち堪えていく第3局面、現在の人間関係のあり様の再確認からさらに深い気づきに思い及んで自己の限界を悟り、認識と行動の変化を起こす第4局面、日常生活のバランス感を掴み、それが生活の中に定着し、'自分は変わった'と成長を認識し自立していく第5局面、であった。同時に患者の変化を支えた看護師の援助の意味内容のプロセスも明らかになり、クリティカルパスに沿った標準的ケアに、パートナーシップに基づいたケアを加えた本ケアプログラムは、患者の認識の転換を助け、潜在能力を発揮して行動の変化を促し、自分らしさを再構築して自立を促進することができ、その有用性と新しい乳がん患者リハビリテーション看護の意味を確認できた。今後の課題は、本プログラムの実践導入のための指針を看護師の関わりの意味から作成し、実践を積み重ねて精錬していくことである。}, title = {乳がん患者が自分らしさを再構築するプロセスの内部構造の明確化 : リハビリテーションケアプログラムの作成と実践を通して}, year = {} }